いざ出来上がった我が子の読書感想文を読んでみると、感想文というよりも本の要約文のようになっているなんてことはよくありますよね。
あまりダメだしはしたくないけれど、今後学生生活を送る中で、読書感想文を書く機会は増えるので、ぜひとも上手に書けるようになってほしいもの。
読書感想文にはあらすじは不要とよく言われますが、本当にいらないのか?理想的な読書感想文の構成はどんな感じなのか?
お子さんに読書感想文の書き方を伝える前に、事前にチェックしてみてくださいね。
読書感想文にあらすじは不要ってほんと?
読書感想文は読んだ本人の読後感や、登場人物や物語の内容に対して自分なりの意見をまとめて書くものです。
求められているのは、読んだ本人が「自分がどう感じたか」を自分の中に発見して、それを文字に起し、伝えていく力を養うことにあります。
そのため、あらすじで読書感想文の大半を埋めてしまうのは、読書感想文にはなりませんね。
もし、読書感想文の中にあらすじをかくとしても、自分の感想やその本を読んで感じたテーマに関わるところを少し抜き出す程度にとどめましょう。
大体抜き出す目安は400字詰めの原稿用紙で5行(100字)程度で、何度も抜き出すのではなく、2~3回程度にとどめておきましょう。
読書感想文はあらすじではなく〇〇を!その分量は?
あらすじは不要とはいえ、読書感想文を読んでいる人に時代背景や物語の趣旨が伝わらなければ、自分の感じたことや意見が伝わりにくくなるので、物語の「概要」は伝えましょう。
ここで問題となるのが「あらすじ」と「概要」のちがいです。
「あらすじ」は物語の最初から最後までの流れを単純に並べて書いただけのもので、「概要」は物語の時代背景や登場人物の特徴、その本のテーマについて分りやすくまとめたものになります。
例えば誰もが知っている「かぐやひめ」を例にすると…
竹から生まれたかぐや姫は、おじいさんおばあさんの愛情を受け美しく育ち、5人の男の人たちに求婚されます。求婚した男たちにかぐや姫は無理難題を出しその求婚を突っぱね、最後は自分のふるさとである月へと帰ってしまうというお話です。
平安朝初期に書かれた日本最古の物語がもとになっているかぐや姫は、親の愛の深さや貴族社会への批判が込められた作品です。最後には月へ帰ってしまうという現代でいうところのSF的要素を含んだ斬新な作品でもあります。
概要は時代背景などを読書感想文を読んでいる人と共有するために必要だとは言え、全体の10%程度にとどめましょう。
大事なのは自身の読後感やテーマに対する自分なりの考えを書く部分ですので、そこは忘れないようにしましょう。
読書感想文の理想的な構成とは?
文章の理想的な構成は、「起承転結」です。読書感想文に置き換えてみると…
起 どうしてその本を選んだのか?読もうと思ったきっかけ、読む前の想いなどを書きます。読書感想文全体の10%を目安に書きましょう。
承 物語の概要を書いて、時代背景や物語のテーマを共有します。全体の10%程度にとどめましょう。
転 感想の部分。物語の好きな部分や出てくる登場人物に共感したと、心に残った場面やセリフなどを、自分なりの言葉でまとめます。一番大事な部分ですので、分量は多めの全体の60%ほど。
結 感想文の最後の部分。物語を通じて感じたことから、自分の中に生まれた変化や、新しく気がついたことなどをまとめます。全体の20%が目安です。
ゴールが見えずに書くことはしんどく感じてしまうので、分量を事前に把握して分りやすくしておくことは大切です。
起承転結それぞれどのくらいの分量が必要か、実際の原稿用紙に薄く鉛筆で目印を入れておくと必要な量が分りやすく、書き進める時の負担が軽くなりますよ。
★読書感想文の書き方をどう伝えたらいいか悩んでいるなら、この記事が参考になるかもしれません。

読書感想文のあらすじと構成についてのまとめ
- 読書感想文にあらすじは不要。
- あらすじではなく時代背景やテーマなど本の「概要」を書く。
- 理想的な構成は、本を選んだきっかけ10%、概要10%、感想60%、まとめ20%の起承転結と同じ4段構成。
あらすじばかりにならず、自分の感じたことや意見の詰まった内容の濃い読書感想文になりますように。
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