じめじめする梅雨から暑い夏場にかけて、何だか子供がおとなしい・・・突如、嘔吐をしたり下痢が止まらなくなったりすると、ドキっとするのが「食中毒」。
子供が小さければ小さいほど、「これって食中毒?」と思う症状がでると心配になりますね。そして、目の前で苦しそうに嘔吐したり、お腹が痛いと泣きぐずっていると、きゅーっと胸が締め付けられる思いになります。
・これって食中毒?子供の食中毒の症状とは?
・我が子に食中毒の症状が出たら…適切な対処法とは?
・食中毒こんな症状がでたら救急車を迷わず呼ぼう
お子様の様子を見ながら症状をチェックし、適切な対応をしましょう。
これって食中毒?子供の食中毒の症状とは?
食中毒は、食中毒を起こすもととなる細菌やウイルス、有毒な物質がついた食べ物を食べることによって引き起こされます。
主な症状は、下痢、嘔吐、腹痛、発熱などの症状が出ます。重症になると、血便や呼吸困難、意識障害が起こることもまれにありますので、しっかりと様子を見ておくことが大切です。
発症の時期や症状が続く期間は、食中毒を引き起こした細菌やウイルスの種類によって違いがあります。
食後からどれくらいで症状がでるのか?症状が早く出るものから順に、細菌・ウイルスの種類と、原因となる食材の例についてまとめます。最後に食事をした時間からどれくらい経っているのかでチェックしてみてくださいね。
【食後30分から6時間以内】黄色ブドウ球菌
傷(特に化膿したもの)がある手やニキビを潰したあとの手で食材を触るとに菌がつきやすくなります。調理中は勿論ですが、調理後に食材に触るときにも気をつけましょう。
熱にも強い黄色ブドウ球菌の毒素は、加熱しても食中毒を防げません。食材を触る手を清潔に、傷があるときは絆創膏やゴム手袋をすることが大事です。
原因となる食材例 おにぎり、調理パン、お弁当など
起こる症状 吐き気、腹痛
【6時間~48時間】サルモネラ菌
加熱が不十分な卵・肉・魚が原因で発症します。熱に弱いので、よく加熱しましょう。
原因となる食材例 生卵、牛肉のたたき、レバ刺し
起こる症状 吐き気、腹痛、下痢、発熱、頭痛
【4時間~96時間】腸炎ビブリオ菌
生の魚や貝などの魚介類が原因となります。真水や熱に弱いので、生食の際はよく洗いましょう。熱を入れるときは、しっかりと熱を通しましょう。
原因となる食材例 さしみ、おすし
起こる症状 激しい下痢、腹痛
【食後12~60時間】腸管出血性大腸菌
加熱が不十分な肉や生野菜から感染することがあります。O-157をはじめいろんな種類があるがしっかりと火を通すことで防げます。
因となる食材例 加熱不十分の肉、よく洗っていない野菜、井戸水、湧き水
起こる症状 激しい腹痛、下痢、血便。重症化すると、死亡することも。
【1~2日】ノロウイルス
牡蠣などの二枚貝を生食したり、十分加熱しないで食べた場合に発症することがある。熱に弱いので、85度以上で1分以上加熱する。
原因となる食材例 牡蠣、アサリ、シジミ
起こる症状 吐き気、ひどい下痢、腹痛
※感染した人の嘔吐物や便より感染することがあるので、処理する時はゴム手袋をする、処理後はよく手を洗いましょう。
【2~7日】カンピロバクター
十分に加熱されていない鶏肉、処理が不十分な水、綺麗に洗っていない野菜から感染します。乾燥に弱いので、加熱すれば菌は死滅する。まれに、ペットから感染することも。
原因となる食材例 火が通っていない鶏料理、十分に洗っていない野菜、井戸水や湧き水
起こる症状 下痢、発熱、吐き気、腹痛、筋肉痛
我が子に食中毒の症状が出たら…適切な対処法とは?
●なるべく早めに病院にかかる
大人であれば、軽い嘔吐や下痢であれば自宅で様子を見るということもあるかもしれませんが、お子さん、特に乳幼児の場合は症状が急変する場合がありますので、嘔吐や下痢が続くようであれば、すぐに病院にかかりましょう。
●受診後の自宅での対応
嘔吐がある場合は、喉に嘔吐したものがつまらないように横向きに寝かせてあげましょう。
また、紙袋の内側にビニール袋を被せて簡易のエチケット袋を準備しておくといいでしょう。処理をする人の手を汚しにくく、そのまま袋に包んで捨てることも出来るのでおすすめです。
下痢や嘔吐が続きますので、脱水には十分に気をつけましょう。
水分補給には、経口補水液がおすすめですが飲ませ方にはコツがあります。以前、娘が1歳の頃腸炎になった時に、かかりつけ医より教わった飲ませ方をご紹介します。
経口補水液の上手な飲ませ方
①吐いた後1時間くらいは飲ませない。(※1)
②1時間後吐き気がおさまってきたら、大さじ1杯程の量から飲ませる。(※2)
③飲めたら20~30分吐き気が出ないか様子を見る。(※3)
④大丈夫なら20~30mlほど飲ませる。20~30分様子を見る。
⑤様子を見ながら少しずつ(20~30ml程)量を増やしていきましょう。
(※1)これは胃や腸の動きが落ち着くのを待つためです。すぐに飲ませてしまうと、胃や腸を刺激して、更に吐いてしまうことに繋がります。飲んで吐いてをくり返すと、脱水を悪化させることになります。
(※2)冷たく冷やしたものでは胃や腸を刺激してしまいますので、常温のものを飲ませましょう。
(※3)吐き気が途中で出てきたら、胃腸の動きを落ち着かせるため、1時間ほど何も与えないようにしましょう。
水分が取れるようになってきたら、少しずつ食べ物をあげてみましょう。
柔らかいおかゆ、りんごのすりおろしなど、負担の少ない軽いものからはじめましょう。次に煮込んだうどん、湯豆腐、ゼリーなど少しずつ形のあるものにしていき、消化の良い普通食へと近づけていきます。
食事の固さの目安は、今出ている便の硬さと同じくらいのものが、いま消化できる食べ物の固さなのだそうです。
水分が全く取れていない状況が続くようであれば、早めに再受診することをおすすめします。
我が家も娘が1歳の時、食中毒ではなく腸炎でしたが、嘔吐と下痢・熱が下がらず救急病院に駆け込みました。小さな子供に点滴をするのは大変ですが(数人で押さえて針を入れ、針を触ったり抜けるのを防ぐために包帯で固定するので、見た目も痛々しいです)、点滴をすると症状が落ち着くのが早いように感じました。
食中毒こんな症状がでたら救急車を迷わず呼ぼう
子供が嘔吐と下痢をくり返してとっても苦しそう…緊急度は高いような気がするけれど、救急車を呼んでいいのか迷いますよね。
以下のような症状がある場合は、迷わず救急車を呼びましょう。
・激しい下痢や嘔吐で水分が取れず、意識もはっきりしない
・激しい腹痛で苦しがっている
・嘔吐が止まらない
・血便が出ている
・嘔吐物が詰まっている
そこまで重症ではないけれど、どうしていいのか分からないときは、固定電話や携帯電話で「#8000」と押し「子ども医療電話相談」に電話をすると、小児科医師、看護師、保健師にどう対応すればいいのかを相談することができます。
対応している時間は県によって違いがありますので、お住まいの地域の対応時間はこちらで確認くださいね。
参照ページ 厚生労働省「子ども医療電話相談事業(#8000)について」
子供の食中毒についてのまとめ
●食中毒の主な症状は、下痢、嘔吐、腹痛、発熱。重症になると、血便や呼吸困難、意識障害が起こることもまれにある。
●食中毒が発症するまでの時間や出る症状は、原因となる菌やウイルスの種類によって違う。
●食中毒だと思ったら早めの受診をする。
●水分を与えるのは、吐き気が落ち着いてから。大さじ1杯の量からスタート。
全く水分を受け付けないときは再受診。
●どうしていいか分からない時は、「#8000」の「子ども医療電話相談」に電話
我が子が嘔吐したり腹痛で苦しんでいると、見ているこちらも辛くなりますね。
食中毒にかかるまえに日頃から食材の調理や扱いには気をつけましょうね。それでも罹ってしまったときは、早めの受診を心がけましょう。
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